飾りパンについて
飾りパンは、ヨーロッパにおいてはとても伝統のあるパンのオブジェです。現在では、ウインドウの飾り付けとして使用するだけでなく、各国でパンデコレ、パンアーティスティクなどと呼ばれる飾りパン作りの技競会なども開催されています。
ひと口に飾りパンと言っても、家庭で作るようなシンプルなものから、非常に手間暇をかけて作る大作もあります。日本においては、飾りパンの歴史はまだ浅いために、一般的なパン屋さんでも飾りパンを作っているところはあまり多いとはいえないようです。
しかしながら、中には積極的に海外で行なわれている飾りパンの競技会に参加し、優秀な成績を収めているところもあるようです。
基本的に飾りパンは装飾品として使用されるために、食用として考えられているものではありません。ですから、イーストなどを使用せず、発酵させずに作ることが多いようです。
一般的には、小麦やライ麦などを使用して時間をかけてパンを焼き上げ、それを低温でゆっくり乾燥させた後にニスで仕上げます。ニス塗りの工程も、それが乾くのを待ちながら何度も重ね塗りをしていくので、かなり時間を要することになります。
飾りパンも大きなものになると、完成まで1ヶ月以上かかるものもあります。このようにして作られた飾りパンは、その保管状況が良ければ1年以上はその状態を維持することが出来ます。